いのちめぐる春

16031101

加計呂麻の森は新緑の季節です。
2月の末頃から芽を出し始めた新芽たち。次々と芽を伸ばしはじめ、若い息吹に溢れている。

最近、朝は小鳥たちの美しい声で目覚めることが多い。
鳥たちも恋の季節に、競って美しいさえずりを披露してくれている。
しばしば、我が家の庭にもそのかわいい姿を見せてくれることもあり、その愛らしい姿に心和む。

日が沈み、辺りが薄暗くなってくると、今度はカエルたちの大合唱。
彼らもパートナー探しに一生懸命である。
このあたりは、アマミアオガエルやリュキュウカジカガエルなどが多く、「ケロケロ」や「グワグワグワ」といった、いかにもカエルらしい声ではなく、小鳥やスズ虫かと思うような美しい声で鳴くので、初めて耳にしたときは、なんで夜に鳥が鳴いているのかしらん、と思ったものです。

海の中も繁殖モード。
シーカヤックを漕いでいると、様々な種類の卵や小さな小さな稚魚やカニなどがぷかぷか漂っている。魚に限らず、海の生き物たちは、様々な卵の産みかたをする。
一斉に驚くほどたくさんの数を大海原へ解き放つものあり、岩に産みつけるものあり、ゼリー状のものでくるんでサンゴの隙間にそっと産みつけるものあり、砂と一緒に混ぜて固めるものあり、イソギンチャクの裏陰や巣穴にそっと産みつけせっせとお世話をするものあり、孵るまで口の中で育てるものあり、その他いろいろ、種によってほんとうに様々である。
卵は栄養価が高く捕食しやすいので、それを食べにやってくる生き物がたくさんいる。他の生き物たちに食べられない様に、それぞれよく工夫されているなあといつも感心する。

海の生き物たちの産卵ピークはこれからなので、繁殖の様子が見られるのはちょっと先になるけれど。

工夫していても、やっぱり卵は食べられてしまう。しかも、食べられずに孵化までたとりついた個体も、孵ってからがまた熾烈な闘いなのである。
卵から孵りたての生き物ほど弱く、狙われやすい生き物はいない。
肉食生物の格好の餌食である。
孵りたての小さな小さな生き物が、何かに食べられてしまうのはちょっとかわいそうな感じもするが、食べる方だって必死なのである。

生まれるいのちあれば、消えゆくいのちあり。

海も山も、無数の生き物達の活気に溢れる季節、エネルギーで満ちあふれている。

いのちは巡るのであるが、春はことさらにその巡りについて強く感じる日々なのです。

追記:写真は、ぷかぷか農園で育っているお野菜のとても小さなお花です。
さて、何のお花でしょう?
植物も花を咲かせてタネを残すのだな。


パタゴニア