睡蓮鉢のコリドラスくんたち

我が家で睡蓮を育てて、7〜8年が経ちました。
毎年綺麗なお花を咲かせてくれるかわいいかわいい睡蓮たち。

暖かくなってくると、いろんな生き物たちが水辺に産卵場所を求めて、我が家の睡蓮鉢にやってきます。
ああ、賑やかな愛しのミニミニビオトープガーデン。
カエルくん、トンボさんがやってくると嬉しい気持ちになるのですが、あまり歓迎できないのは蚊のみなさん。ボウフラちゃんは次々増殖し、ぷ〜んぷ〜〜んと蚊が舞います。

今まで、メダカさんに頑張ってもらっていましたがメダカの寿命も尽きて、睡蓮鉢がお留守になった今春。あっという間にボウフラパラダイス。
これではいかん!!
っと、遊びにきてくれるお友達にメダカか金魚さんの仕入れを託しまして、彼らの来島と、睡蓮鉢ボウフラ地獄を救ってくれる救世主の登場を心待ちに、指折り数える日々。

ニコニコやってきてくれた親愛なる我が友人の手には、なんとオランダ獅子頭という優美な金魚さんとコリドラスくんたち。

お友達も私も、淡水魚のことはほとんど知らないので、販売用袋に入れられた可愛い姿を見て、「かわいいかわいい」なんて浮かれていましたら、お魚博士の我がオットーは、コリドラスくんを見た瞬間に、
「あ・・・」
「これ、睡蓮鉢に放ったらもう2度と会えないかもね・・・」
と、ポツリ。

え?なんで??死んじゃうの?弱いの??

「いや、強いんだけど、コリドラスはね、ナマズの仲間でね、有機物が堆積した水底に住んで餌を探す底棲魚なんだよ。つまりね、水槽飼育で水底のお掃除をしてる姿を楽しめるんだけど、睡蓮鉢では姿が見えないだろうね。」

って、え〜〜〜~っ!
そうなの!?
と、コリドラスくんを買ってきてくれたお友達も苦笑い・・・

で、彼らの話を聞きますと。
なんと、わざわざ東京からビッグツー(*)に電話までしてくれて、メダカや金魚の在庫状況を確認してくれたとのこと。
すると、メダカは最近価格が上がり入手困難とのこと。では、金魚は?と聞くと、彼ら来訪の翌週に金魚すくいイベントがあるので、和金(一般的な金魚)の販売ができないとのこと。
「来週にきてくれたら、1回100円で金魚すくいしてもらって、すくえなくても2〜3匹は持って帰ってもらえるんですけど〜」
って、旅の予定は今週だからね、おじさん!
と、いうわけで、今販売中の生き物で、飼育しやすくてお手頃価格な上記2種を買ってきてくれました。
ビッグツーのおじさんが、「ボウフラならコリドラスだよ。強くて飼いやすいしね。」とおっしゃったとのことですが、睡蓮鉢では姿が見えないよ!生存確認できないよ!おじさん!!

とかなんとか言うてても仕方ありません。
彼らは、我が家にやってきてくれたのだから。

買ってきてくれた袋ごと睡蓮鉢に浮かべ、しばし新しい環境に馴染んでもらった後、いよいよ、睡蓮鉢に放流です。
あっという間に水底へ・・・
あ〜、かわいいコリドラスくん、頑張って生き延びておくれよ〜〜〜。

と、お別れを告げたのですが、やはり飼い主としてはその姿に会いたいもの。
コリドラスは腸管呼吸という呼吸法のため、空気を吸いに水面に上がってくるんですね。でも、一瞬の呼吸なのでそのピチャっという音と波紋でだけ、生存を確認できるという儚さ・・・
水深70cmの水草と睡蓮生い茂る鉢を覗き込んでは、「いた!!」「泳いでる!!」とかすかな動きも見逃さず、観察するのが毎日の楽しみです。どれだけ一生懸命探しても、なかなか会うことができないんですけれど。

オランダ獅子頭さんもとってもシャイで、なかなかその優美な姿を見ることができませんが、餌の時間を教育中。
エサをあげたら私たちが身を隠し、オランダちゃんが餌を食べる姿を離れた場所からそっと眺める、という、なんとも星飛雄馬のお姉さんのような立ち位置で飼育しています。

なかなか会えないシャイな我が家のファミリーですが、人知れずひっそりとコリドラスくんやオランド獅子頭さんが、睡蓮鉢で元気に泳いでいると思うだけで、なんだか嬉しい気分になるもので、私もコリドラスくんみたいになりたいな、とふと思うこともあるのです。

**ボウフラ撲滅キャンペーンは、見事成功し、今や1匹のボウフラも見当たらず、金魚もコリドラスも確実に大きく成長してくれています。

*ビッグツーとは、奄美リピーターさんお馴染みのお店。お土産から生鮮物、衣服に電化製品、家具、自転車、カー用品、農機具、ペット用品、などなど、しかもATMまであって、なんでも揃う大型ホームセンターです。