今日は、ウミガメ、、、ではなく、カメフジツボ(学名:Chelonibia testudinaria)をご紹介します。
初めて耳にされる方も多いかと思います。お恥ずかしながら、私もこの子に会うまでは存じ上げませんでした。
先日、海で泳いでいるとー6m付近のサンゴの陰で一休みしているアオウミガメさんを発見。
お昼寝中なので、驚かさないようにそおおっと近づいてみると、何やら甲羅に白い物体が。遠目に見ていた時は、発信機?ゴミ?サンゴのカケラ??なんだかよくわからなかったのですが、近づいて見てみても、よくわからない・・・
でも明らかに甲羅に生えているように見えます。
じっくり観察したいけど、安眠のお邪魔をしてもいけませんので、数枚写真をパチリと撮らせてもらって退散。
(ウミガメはとってもシャイですから、海で出会っても驚かさないでね!)
帰宅して調べてみると、カメフジツボという生き物だとわかりました。
フジツボというと、岩場の波の荒いところにトゲトゲと生えているもの、というイメージがありますよね?(余談ですが、フジツボって貝ではなく、エビやカニに近い仲間なんですよ。)
このカメフジツボは、なんとその名の通り、ウミガメにしか付着しないフジツボなんですって。どうやってカメだけを選んでくっつくんでしょうね。不思議です。
一般的に知られるフジツボは岩礁域に付着すると一生動かず、その場でエサを摂り、近辺のフジツボたちと繁殖して一生を終えて行くのですが、カメフジツボは彼らとは違って、ウミガメの甲羅に乗って世界一周・・・・とまではいかなくとも、あちこちの海を旅するフジツボ。
ウミガメの甲羅にピタッとくっついたら一生をカメと過ごすようです。
カメの甲羅で遊覧(?)しながら、ごはん(プランクトン)は、自分で摂って食べるのだそう。
私がフジツボなら、固着系より回遊系がいいなあ。なんて、くっつかれるカメさんやフジツボの気も知らないで呑気なことを考えるのでした。
そんな、知ってる人は知っているだろうけれど、知らない人も多いカメフジツボですが、なんと江戸時代の「本草学」(日本の自然児史資料)にも記録が残っているそうなんです。
やっぱりすごいですね、江戸時代。
平和と暇のなせる技。
最近、時代劇にはまっているぷかぷかりんごは、「江戸」という文字を見るとワクワクしちゃうんです。
いや、話が逸れました。
江戸時代じゃなくて、不思議生物カメフジツボとの出会いのお話。
’’ウミガメに付くように進化、外見は陶器のように白く、ツルツル、付着すると動かないとされるが本種はカメの甲羅の上を少しずつ「移動」する特殊な能力を持つ。周殻の縁に小さなオス(矮雄)がついていたりと、その生態には謎が多い。’’
だ、そうです。
このまま甲羅の上をジリジリ動くだけならいいんですけれど、カメさんのお顔や手足に移動しないことを祈るばかりです。
海はほんとうに不思議がいっぱい。
さて、今度はどんな不思議に出会えるかな。