少し前のことですが、実家へ帰省していました。
久しぶりに自転車で町を散策。
この季節には、いつも道路のそこかしこに菜の花が植えてあります。
花壇のない場所にはプランターを並べて。
タイトルにも記しましたが、今日2月12日は「菜の花忌」。
司馬遼太郎さんの命日です。
この町には司馬遼太郎さんが暮らしたお家があり(現在は記念館になっています)、
その回りを司馬さんの好んだ菜の花が囲みます。
特別大きな催し事があるわけではないし、みんながみんな司馬さんを心から偲んで、という訳でもなさそうだけれど、学校や地域の人々が静かに菜の花を育てているということが、かえってしっくりと心に残るのです。
時を忘れて本を読むふけっていた学生時代、いろんな場面で本は私を慰め、力を与えてくれました。
もう少し足を伸ばすと「田辺聖子文学館」もあり、私のささやかな文学体験を育んでくれた環境を思い出す。
ああ、カモカのおっちゃん。
ふとそんなことを思い出しながら、今は加計呂麻の森に降り注ぐ雨を眺めています。
(写真は、司馬遼太郎さんのお家の前の菜の花です)