ディアマンテふたたび海へ

16022101

MEGA社のディアマンテS(シーカヤック)が我が家にやってきた。

知人がシーカヤックを手放そうかと考えているんだ、と連絡がきた。
ディアマンテSとともに過ごしてきた知人は、お仕事などでカヤックに乗る機会が減り、このまま陸に置いておいてもカヤックがかわいそうだということだった。
しかも、ハルが破損していて修理が必要なので、それでも誰かカヤックをひきとってくれる人がいるだろうかと相談を受けたのだ。
さっそく、カヤックを見せてもらうことにした。

ご存知の方には言うまでもないが、MEGA社のディアマンテSはとてもいいカヤックだ。保存状態もとてもいい。
確かに、ハル(底)の部分がひび割れていて、このままでは海には浮かべられない。

彼女はカヤックをとても大切にしていたようで、しばらく乗っていなかったとはいえ、きれいに保管されてあったことからも愛情が伺える。
私も自分のために初めて選んだカヤックにはとても愛着がある。いろんなところに一緒に行って、楽しかったりちょっと辛かったりしたことも共有してきた相棒のようなものなのだ。離れるとなるとそれはちょっと寂しい瞬間でもある。

せっかく大切にされていた思い入れのあるカヤックなので、知らない人のところへ行ってしまうよりは、いつでも遊びにきてもらえる加計呂麻の我が家へ迎えようということになり、カヤックを買取ることにした。

引き取る際に、カヤックと一緒に写真を撮ってお別れした。

天気のよい日にカヤック修理にとりかかる。
カヤック修理キットを倉庫から取り出し、割れた部分を削り、FRPを張りなおす。見よう見まねだが、我々のモットーは、「上手くできなくても、なんとか自分たちでやってみる」精神である。
さすがに、今まで何度かカヤック修理をしてきたので、今回は思っていたよりスムーズに綺麗に仕上げることができた。

さあ、いざ海へ。

永らく眠っていたようなので、進水式をしてあげよう。
黒糖焼酎でカヤックを清め、安全を祈願する。

美しい夕陽が輝く海面を滑らかに進んで行く。
天気の悪い日の多い、冬の加計呂麻に恵みのおひさまである。

眠っていたカヤックが命を吹き返す、何とも言えない嬉しい瞬間だった。