ひとりぼっちの贅沢な時間

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加計呂麻島の南側は海岸線に道路がほとんどないので、
陸路ではたどり着けない浜がたくさんあります。
昔は山を下って浜まで歩いて行けたようですが、人が歩かなくなった林道は森の木々に吞み込まれ、道がわからなくなっているところがほとんど。

そんな陸路ではアクセスしにくい浜へシーカヤックを使って上陸すると、人知れずどっしりとたたずむガジュマルに出会うこともしばしば。
そんな大きな木の下で休んでいると時間が止まったような不思議な感覚に包まれます。

頭上をルリカケスが羽ばたいたと思えば、
カラスとサシバが争っていたり、
足もとをカニやヤドカリが忙しそうにせっせと働いていたり、
海ではキビナゴ対カツオの命巡る攻防戦が繰り広げられ、
その一方で優雅なウミガメはぽっかり浮かんで深呼吸をしていたり、
ここに私がいてもいなくても、そんなことはおかまいなし。

ぼんやり陸番をしている私はポツンと浜の一部になれるのです。