誰もいない浜辺で足跡に心打たれる

これは大きなウミガメさんが産卵のために上陸し、
海へ帰った足跡です。
あの大きな重たい身体でこの陸上を歩むというのは、
重労働でこれはとっても大変だろうな、思うのだけれど、
きっとカメさんは重いだとか、大変だとか、
そんなくだらないことを考えたりすることもなく、
ただ必死に、命を繋いでゆくという偉業に集中しているのでしょうね。

大きな足跡は波や雨風でどんどん薄くなってゆき、
親ガメさんが歩いた形跡もわからなくなるのです。
そうこうしているうちに、可愛い子ガメが砂の中から顔を出し、
海へ向かって歩き出します。

子ガメたちにとって、海までの道のりははるかに長く、
厳しいこともあるでしょう。
海にたどり着いても、幾多の試練があることか。

青い空の下、力強い足跡を見ながら生き物たちのたくましさについて、
心打たれ、しばしその場に立ち尽くしていました。

一見すると、穏やかで美しいのどかな風景の中にも激しい命の営みが繰り返されているのです。